デザインが成功するかしないかは、僕らのモノづくりをバックアップしてくれるクライアントがいなきゃ絶対だめだから。いくらデザインがよくても、そのよさを分かってくれるクライアントがいなければ作れない。(柳宗理)
この柳宗理さんの言葉が、月と雨建築舎のモノづくりには大切だと今日感じました。
お客様を「施す主」と書く「施主様」と表現するとお客様をピラミッドの頂点に君臨させる構造が生まれてしまう。その下に僕と職人がつく構造。それは住宅メーカー、リフォーム会社では日常化されている「当たり前」の構造。しかし、これではいいモノづくりはできないと感じ続けてきました。
お客様に対する「心配り、気配り」は大切。その上で、お客様を「クライアント様」と表現する関係。
僕たちは職人も含めて、「依頼されてクライアント様の問題解決の為に、僕たちの持っている知識と技術を心を込めて提供する」という立場をしっかり意識したい・意識してもらいたいと思っています。
お客様は「クライアント=依頼して下さる方」
依頼されて、その依頼に対して全力で応える。そこにある「対等関係」という位置付けを大切にしたいと思っています。
対等関係でのモノづくり。僕と職人と一緒にクライアント様にも参加して頂いて一つの「リノベチーム」になることが大切。
対等の立場でお話して、その会話の中の言葉と表情からリノベーションのヒントを拾い上げる。カウンセリングのようなリノベーション。
日常空間に一瞬にしてモチベーションを上げる“心を奪う美しさ”をリノベーションで育む。
そのヒントはクライアント様の心の中にある。
カウンセリングクリエイト。
「デザインが成功するかしないかは、僕らのモノづくりをバックアップしてくれるクライアントがいなきゃ絶対だめだから。いくらデザインがよくても、そのよさを分かってくれるクライアントがいなければ作れない。(柳宗理)」
今日は午前中クライアント様ご家族が現場に来て下さった。
現場のお家の変化と、職人の作業とその姿勢に感動して頂いた。
その会話の中で、また一つ言葉と表情からヒントを頂いた。
自分のかなで保留して悩んでいたこと。
バランス感覚のようなもの。
今日、クライアント様が実際に現場を見て純粋に感じて表現した反応を横で見させて頂き確信した。
そこから午後は感じたものを表現する作業にすぐ取り掛かった。
既存の状態のまま表現する部位をバランスを見ながら再生させて行く作業。
真っ白の室内空間にアクセントではなく、バランスよく挿入する差し色になるように。
1980年の施工から37年の時を経て浮き上がらせる木目とその歳月で使い込まれた傷。
新築では表現できないリノベだから表現できる質感。
価格に表現できない「貴重な価値を持つ素材」として再生させる「ひと手間」
人の手と心の感触で新しい価値を持つ素材感。
お盆休みの期間にこの空間で色々生活をイメージ頂けたら幸いです。