今の条件の中で、出来ない事を考えるより、自分ができる事を考えて愉しむ。
無い物はしょうがない。
要らないモノを捨てるより、あるもので出来る事を考える。
それは、妥協ではなくアイデア。
あるものを使い切る。
すると、必ず一点モノが生まれる。
物語も紡がれる。
まとめて時間を進めるようなことはせず、ひとつひとつ小さく積み上げる。
庭に植えた植物、室内の植物がその姿で教えてくれている。
勿論、植物は一気に成長することはできない。
しかし、ある一定時期になれば1日で大きく変化する。
その1日の変化のエネルギーはそれまでの「変化のない日々の小さな時の積み重ね」があるから。
植物は「太陽のエネルギーの強さ」を感じ「天の時」を待っている。
そして、その「天の時」に気づけるのは「毎日少しの時間でもそれと向き合っているから」気づける。
そんな小さく時を紡ぐ暮らしが創れて育めること。
それが理想。
住居の素材も同じ。
いきなり「いい味」が滲み出るわけではない。
少しづつ使い込まれ、すり減り、傷つき、削れることで「その素材に時が紡がれる」
だから「小さく時を紡ぐ」という「小さく」を意識することが大切。
いきなりそれを演出するのは「偽物」が出来上がる。これまで自分はその偽物と自分が手を加える物との間で葛藤することもありました。しかし、それも「時が経つこと」で馴染んでくるという「時の力」を目にして心が納まるところに納まった感じを受けた。
全ては「小さく紡がれた時が馴染ませてくれる。」でも、それはちゃんと時の紡げる素材でないといけない。永く愛情の注げるもの、時が紡げるものは手間もかかり時間がかかるけど目に見えてくるものがある。大切なのは、コツコツ手間ひまかけること。そうすることで、小さく時が紡がれ、暮らしになり、物語が生まれる。
そんな理想の暮らしへの想いは伝えなくても、実際の空間に触れたら全て伝わってしまう。
だから、共に物語を紡ぐパートナーとしても、
住居の打ち合わせは実際に暮らしている住居で行うのが一番。
打ち合わせのおもてなしを考えるところから全てがはじまっている。