(入居後)古い家が微笑んでいる

久しぶりに再会すると、この古い家の空間が柔らかく微笑んでいる気がしました。

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ここはニューオダ理容室様の一角。

伺う度に展示スペースが変わっている。

入荷した商品に合わせて、季節に合わせて。

その使い方、時の紡ぎ方をみていると

「自分のお店を自らの手でしっかり編集されている」

「暮らし方がクリエイティブ」

そんな印象を受けていました。

そして、久しぶりに再会した日に冒頭で書いたように“この古い空間が微笑んでいる。”そう感じました。

でも、どうしてこんなに空間が活き活きしているのだろう?

と、考えた時、リノベーションの打ち合わせの時のことを思い出しました。

あぁ・・・そうだ。全ての空間を「どう使いたいかイメージわかないから」と、使い方を限定せず創ったのが始まりだった。リノベーションの進行中、創りながら、空間が出来上がればイメージ湧くかも・・・・と、言いながら最後までほとんど「こう使いたいから、こんなものを創る」そんな話し合いはほとんど無かったな、と。

そうして出来上がったリノベーションの空間を眺めて、クライアント様と形容する言葉は

「プレーン(無地)な空間」

結果的に僕が建築士として役目を果たさないといけないと意気込まないでいると、クライアント様自らDIYしなくても、空間を使いながら、あれこれ考え、愛着を持ってクリエイティブな暮らしが紡げる。

むしろ、創るときにどう使うか決めていない分、使いながら色々手を加えないといけないが、それが空間を自ら「編集する」という意識を強め、フレキシブルに空間を使い込んでいる。

毎回あれこれ編集し、使い込むことによって愛着が増している。

そうやって小さく時を紡がれたこの古い空間は柔らかく、あたたかく、微笑んでいったのだと感じました。

これもいい学び。

そして、今回再会するきっかけになったのが

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こんな症状が出てきたから。塗料は粘土塗料だから水分を吸収します。ここはだた塗装しただけだから、この粘土塗料を塗装することで今まで出ていた症状が表面化したのかな?と推測しながらあれこれ調査しました。

 

 

古い家は使い始めて予想しないことが起こるからおもしろい。

現状、症状をしっかり直視すれば考えられる要因が浮かび上がる。推理のような作業。

でも、これを繰り返し、積み重ねることでまだまだ十分使い込める。

大切なのはすぐ対応して、手を加えてあげること。こういうことに向き合ってあげればあげるほど、古い家は微笑んでくれる。

このようなメンテナンスが小さく時を紡ぐ暮らしの背骨。この家にとって、あた素敵な個性が生まれました。

古い家は、ひとつひとつ小さく時を紡いでいくと必ず微笑みかけてくれます。