(竣工2000年代)汲み取り式トイレ一体型ユニットバスの下水式便器取替え作業。

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身近にいる誰に相談しても、そんな工事(トイレ一体型ユニットバスの下水道切り替えに伴う便器取替え)やった事がないと言われました。

「ユニットバスごと取替えしないと無理。」そう言われました。でも、ここのクライアント様にとって、この古いユニットバスの使用目的は「トイレ」のみ。浴室の機能は必要ない。しかも、この古いプレハブの使用目的からしても、便器だけの取替えですませるコストが理想であり、ユニットバスを解体撤去してわざわざトイレ空間を作り直すほどコストをかけてしまうと、それは無駄なコストになってしまうのは明らかでした。

そのような状況から今回も「今あるものを使ってなんとかする」挑戦が始まりました。

最終的に既存設備の配管より「美しい納まり」に再生して無事成功したのですが、ここにも小さな物語が紡がれました。

解体前に仕組みを想像した段階では「配管などの仕組み的」には可能なはず。そう思っていました。後は、器具を解体してみて配管の状態と、床下の状態によりどうなるか・・・・

まず、解体してみて検討に入りました。

このような「諦めの悪い」挑戦ができるのも、「やってみよう」と一緒に挑戦してくれる職人チームメンバーがいてくれるお陰。

出てきた床の状況がこのような感じでした。

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配管の穴あけを手直しした跡が出てきました。結果的に、この既存設備取付での失敗跡のお陰で予想以上に綺麗な納まりに挑戦する事ができました。そして、この状態が確認できた事で「既存のユニットバスの内部に便器だけ交換する工事が可能」だと判断できました。

お金はかけないといっても「トイレの快適性」は外せないのでTOTOの便器と格安の脱臭機能付きウォシュレット便座を組み合わせて、クライアント様と今まで打ち合わせを紡いできた内容を吟味して、クライアント様にとって、現在と将来のことも視野に入れてお金の使い方のベストと自分が判断できるプランをご提案させて頂きました。

そして、プランの内容が確定して工事に着手。

快適な新規の便器は既存の便器よりも大きく、一体型のユニットバスの洗面ボウルと干渉しました。

こんな事態でも、大切な事は明確で「この空間をクライアント様はどう使われたいか」そのご要望を把握させてもらってベストを考える。今回、目的はトイレだけの空間なので、洗面・シャワー・浴槽は本来使わない。ここで取り外してもよかったのですが、既存のシャワーホースがせっかくあるのなら、それを「掃除の時に使いたい」そんな内容から、クライアント様と考えて洗面ボウルは移設を決断。

レイアウトが決まったので、配管、配線工事。その際に既存の汚れた、部位も綺麗に再生してくれました。地味な作業の写真ですが、この中には特殊な技術が使われています。そのお陰で今回の計画が可能になりました。このような改修の幅を広げてくれるのは「経験と知恵」これが「リノベーション、改修の“センス”」に関わってきます。無理だと言われた工事を可能にする。その中でも「美しく納める」これはセンスです。

そうして出来上がった「配線」「給水管新設」「排水管の再生」の状態がこちら。

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ここから便器の組み立て。

そして、器具付け完成。

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ただ、古い家の改修はここからが重要。

使われていなかった時期が長ければ長いほど、接続再生して全体をチェックしてみないと何が起こっているかわかりません。

今回テストで発覚したのは「シャワーの水が出ない」というものでした。

原因は、カラン内部の不具合。長い間使われていなかったのでゴムパッキン部分が食いついてしまっていました。その部品を取り替えて無事通水確認完了。

今回も良い経験をさせて頂きました。

クライアント様にとって「使えるものは使って、最小コストで快適性は妥協せず」という目的達成でき、「約束は必ず守る。自分が通すべきスジは行動で示す。」という自分自信の目標も達成できたので、僕たちはここまできてやっとホッとできました。結果的に今回も「やりながらクライアント様と考え続ける工事」となり、器具の納まりはこの建物独特の「一点モノ」が出来上がりました。

クライアント様は同業の建築関係の方でしたので、「綺麗な納まり」のことなども評価して頂き地味な工事内容でしたが、そのようなところを評価してもらえた事はとてもありがたい事でした。これも、「ラクな作業」より「手間な作業でも少しでもクライアント様にとって良い作業」・「美しい工事」を心がけてくれた職人チームのお陰です。地味な工事でもこのような心ある物語を紡いでいけたら本当に幸せです。ありがとうございました。