(竣工1980年代)それでも愛してもらえる住居にする

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被災して矢野東の為に何も力になれないまま自分のお仕事を再開してもよいものか悩みました。しかし、お仕事もお約束。今は自分のできることからはじめようとスケジュール通り高屋の住居改修に着手させて頂きました。

これが結果的に日常を送れている地域の暮らしと、日常が止まってしまった矢野東の様子を毎日見比べる事になり、複雑な心境を味わってしまう事になったのですが、そこから古い家のリノベーションと「その地域での暮らし」に対する新しい角度の大切な心構えが備わったように思えることもありました。

このおうちは永く住む予定ではない築約30年のおうちの改修でした。その為、お金はかけず、最小の手数で月と雨建築舎として何をするか悩みました。出したこたえは「それでも愛して貰える住居にする」というものでした。

下地からなおせない場合、仕上げに不具合が必ず出ます。

それも見越して手間ひまをかけていきました。

下地が原因で起こりうる不具合も面倒みることを考えています。

そして、それもまたよい風合いになるようにイメージしながら手間ひまをかけていきました。

今回は最小の手数で間取りさえも変えずにこの古い家に新しい価値を生み出していきたいと考えました。

愛してもらう為には、つくる僕たちの何かと引き換えにしないといけません。

それは、いつものように時間であり、重ね上げた手間であり、そのとき流した汗の量だと思っています。

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