(築約30年木造)続・個性を生かすということは

よいところを残し、よくないところを排除か改善していったとします。その後ふと気づくはずです。

「個性がなくなってきた・・・・」と。

個性を生かすということは、「欠点も強調してしまうこと」に本質があると思います。

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その欠点がなによりの魅力になるように磨き上げることが実は大切だと思っています。

これは口にするのは簡単ですが、実行するのはとても勇気のいることです。

でも考え方によっては「気らく」になれます。

長い年月、時をつむいできた住居にはそんな魅力があります。それはある年代の逸材だからではありません。時をつむいできたものだからです。どんな素材でも、大切にあつかわれていたものなら必ず輝きを内部に宿しています。一見汚いものでも、その素材と向き合い手をかけてあげることで「使い込まれた汚れ」も魅力にできます。

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リノベーションの途中で「お!これいいね!」という感覚を、職人がひとつひとつ大切にこの住居の為につむいでくれます。手をかけても綺麗に新しくする発想だけではなく、時つむぎの素材を大切に手間ひまかけて個性を生かしていきます。これをやりきる為には、職人の「やさしい心」が大切だと思っています。

この住居の花の時期はリノベーションが完成した時が綺麗で美しい時期ではありません。暮らしながら時をつむいで汚れやキズも魅力になる空間として価値をつけることができた時、小さくガッツポーズです。歳月をかけ、根を伸ばし、幹を太くしてやっと美しい花の時期を迎えます。今の手仕事の結果は何年も時をつむがないと本質的な評価はできないと思っています。リノベーションは「土を肥やす作業」と意識していたら、その時がくれば簡素で美しい花を咲かせてくれます。花はいつかは散ります。しかし、その後もまた大切に時をつむぎ根を伸ばし、幹を太くしていけばいいのです。日頃の簡単なお掃除で十分です。「次の花の時期」に備えてまた小さくつむぐことを大切にしましょう。

そう思えたら今の暮らしがたのしくなります。「こたえ」もひとつではありません。暮らしの中であの手この手と試していいはずです。それが個性になり、全てが一点モノになります。

暮らしの中で「よし!」をつむぎならが、あしたもがんばりましょ。