畳屋さんからの依頼を頂いて床上浸水の被害に遭われた住居の畳下リフォーム作業を請させて頂きました。
地元の矢野ではボランティア活動として実質数日しか参加できていなかったので、地域は違いましたが同じ被災した者として、「そういう状況なら」と急遽でも対応させて頂きました。
初日に状況を伺いました。ボランティアさんたちに畳下の板を剥いで貰って、床下を業者さんに水洗いして貰った後ということでした。
20年近く住宅の現場に携わらせて頂いているのですが、床下浸水の症状を診させて頂くのは初めてでした。
作業途中に和室以外の床下を通過させて頂くことがあったのですが、豪雨当日の状況、ボランティア活動で伺った住居の床下被害、泥出しの大変さ、絡みつく泥の根強さ、泥水の強烈な匂いなどを体験し目の当たりにしている者として、ここの床下を診させて頂くと「ここまで綺麗にできるものなのか」と驚くほど感動しました。気になる匂いも全く無くなっていました。
しかし、べた基礎の床下は綺麗に清掃できても、やはり床上浸水ですと床組の上にも泥水が入ってしまっており、「畳下」という名前の板を剥ぐと泥が確認できました。
今回畳屋さんから依頼をうけたのは和室の畳の下のみ、他はご家族のお知り合いの業者さんが入られるということでしたので、取合いも確認しながら後の方が困らないように調整して進めさせて頂きました。
築年数もまだ若い住居、生かせるものはできるだけ生かしていくという方向性でしたので、和室の床骨組みは生かし、その代わり「泥落とし」を行いました。これが良い学びをさせて頂きました。やはり「乾いた泥」は簡単には落ちませんでした。

研磨タワシで水洗いすれば綺麗になるだろうと想定していたのですが、これは甘かったです。水洗い後の乾く状況、乾いた後の泥の症状から判断して「雑巾での拭き取り」を行いやっと解決できました。

この後は、隙間なく断熱材を入れ、「畳下」を施工して無事最低限の依頼は終了できました。

後は、お盆休みで自分も時間をつくれる状況でしたので、ここからはボランティアさせて頂きました。
和室の仏間、押入れの下は次の工事範囲に含まれていないということで、できる限りの取り替え作業をさせて頂きました。

僕が作業に入った時点で被災してから約1ヶ月半経過していたので、見た目は板も乾いて綺麗でした。しかし、やはり泥水。板の下にも入っていました。

仏間の下、「地袋」はうまく取り替えができました。
しかし、押入れは解体してみると24ミリの構造用合板が施工してあり、構造計算に含まれている様子。これを自分が責任持てる範囲で解体した限りでは100点満点の改修ができない状況だと判断しました。
もう少し周囲を壊してなおす必要性があったので、これは説明させて頂いて次の全体リフォームをされる業者さんにお願いして頂くようにお話しさせて頂きました。残念ですが、ボランティアとはいえ、施工不良を起こすようなことはできませんから。
その代わりと言っては全く関係のないことかもしれませんが、少しでも喜んで頂けたらと。
いつもの「今ある材料でつくれるモノを」
ということで。
日常収納計画のお手伝い。

うちの倉庫にあった杉の無垢フロアを加工して一番簡易な構造ではありますが、造作棚をプレゼント。
数日間作業させて頂きながら、お話もたくさんさせて頂きました。その中で出た「押入れの中の棚」のお話。
ここに暮らされている方はとても丁寧に住まわれておられるのが感じることができ、お話からもこの家にとても愛着を持っておられる様子。
ちょっとしたことですが、少しでも「よし!あしたもがんばろ」そう思えるお手伝いができたら良いなと思いまして。
お盆休みのほんの数日間でしたが、作業させて頂きありがとうございました。