(竣工1970年代)ハーフビルド物語

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家族が食事する“茶の間(ダイニング)”こそ住居の中心であってほしいと思います。

暮らす人(クライアント様)が自ら貼ったスギの床の上に、孫の代まで受け継ぐことのできるキッチンが据えられました。

ここからまだまだクライアント様のDIYは残っていますが、暮らしながら、家族と話し合いながら、ゆっくりと時をつむぎながらつくり込んでいかれます。


着工前に打ち合わせた図面(素案)です。ここからクライアント様色になったものを目にする時が一番の幸せ。プロの発想にとらわれない“自由”な発想、魅力的な手づくり感ただよう姿になる為には僕が全てサポートしてしまっては、僕が良さを掻き消してしまうと思っています。

工具の安全面、発想、作業の基本をお伝えできたらあとは、自らの美意識を大切にじっくり、つくり込んでもらえたらと思っています。僕の作品ではなく、クライアント様の作品になってもらいたいから。

“職人が手を加えてくれたもの”

クライアント様が以前の住居で使われていた、フランス製の調理器具「ロジェール」

この住居に引っ越されて約3年程度使われていませんでした。

この度のキッチン改修にあたり、このガスレンジが使えるようなら使いたい。というのがご要望でした。

職人が引き取り、調べる過程はまず、都市ガス仕様だった器具を現在の住居に合うようにプロパンガス仕様にすること。その為に正規の改造部品を手に入れるルートを探す。そして、改造する方法を調べること。最後に数年間ブランクのある器具を使えるかどうか試運転することが職人の挑戦になりました。

そして、約3週間後。

今までの汚れも綺麗に落とされ、リフレッシュしてかえってきました。

やはり、職人の知恵、ネットワーク、は偉大です。そして、何よりクライアント様の想いを大切にしてくれて、そのものに“心”をつむいでくれる職人はリノベーションの財産です。

“暮らしに奥行き”

住む人が自ら貼った床、職人が手を加えて使えるようにしてくれたロジェール。クライアント様がここまでLIVEで「ほとんど全てのつくる過程」を目にすることは、現代の建築現場では不可能に等しい時代です。

しかし、当たり前のように現場にいて、つくり込むことができるのがリノベーション・DIYリノベーションの醍醐味です。

この過程が暮らしに“奥行き”を生んでくれるような気がしています。

スタイルにとらわれず自由であってほしい。

この住居自体も孫の代まで受け継ぐことができますように。

茶の間が生活の重心になりますように。