手持ちのものを見立て、誂えた扉

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“あたらしい命”

2018年のうちにこの「廃材」であたらしい命をつむげたことを幸せに思います。どうしても、“何か”に生まれ変わらせたいと願い、引き取った廃材でした。引き取った当時は「本当に使えるか」もイメージついていない状態でした。

今回扉の依頼を再度頂いて、こちらから「いい素材があります。(廃材で引き取った材料なので)材料代はいただかないので(それを)使わせてください。必ずいい風合いにします。だから、現場の様子とその場で感じたことを元に創らせてください。」と逆にお願いさせて頂きました。

このようなお願いをすることは初めてだったのですが、「任せる」と言って頂いたのと、要望を伺って「この時のためにこの材料を保管していたんだ」と感じて反応してしまったというのが正しい表現のような気がします。

今あるもの、あり合わせの材料の寄せ集めで、使う人が主体になる道具としての空間の入り口を考えました。

いわゆる「侘び」の世界です。


“廃材で生まれた扉”

今年、この材料で誰かを笑顔にできたことで、いろいろなものがむくわれた気持ちになりました。

この材料のおうちは住んでいる人に愛されていたから。

それを感じて、この廃材に手間をかけました。

この材料だからかこそ生まれる魅力があると思いながら手間をかけ、つくらせて頂きました。

使う人が、使う度に元気になるようなそんな扉になれるように、時間をしっかり貯め込んでくれるように。これからまた新しい季節をつむいでくれるように。

人生には思い通りにならないこともたまにはあります。DIYやものづくりも同じです。どんなに計画、図面を描いて、段取り八分でしっかり作業の段取りをしたとしても思い通りにならないこと、予期せぬ不具合は必ず出ます。でもリノベーションやものづくりで魅力が生まれるのはその予期せぬ不具合からです。マイナスをプラスに変える魅力に挑む。創意工夫の試作が基本。作業をしながら、この廃材に手間を加えながら頭を過った言葉がそのようなものでした。

大げさですが、生きていく上でも大切なものをこの材料が教えてくれたような、貴重な時間でした。