(竣工1970年代)職人力物語〜大工の言霊〜

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1970年代、職人は大手企業に雇われて分譲住宅などの仕事をするようになりました。その時代から職人の名前が表に出ず、個人の名前で仕事をすることがなくなり職人のレベルが落ちたという説があります。

この年代に建てれたら住居ではその言葉を反映するような悲しい状態を目にすることがあります。

このようなことをしても恐らくこの時代は仕事が溢れていたのだと思います。高度経済成長、住宅が足らない時代の延長。2000年、住宅業界が地に落ちたような時代からたずさわっている人間としては、そんな時代にこんな仕事をしていたからこの業界が叩かれたのだと少し怒りがこみあがってきました。ただ、同時にこの時代の背景にもコストや工期、人手不足、材料不足など深い事情もあるのだろうと今の時代の裏事情も耳にすることを考慮しながら感じることもありました。

でも、だからこそこんな時代に抗ってやろうとも思います。

一緒に現場をつくってくれている大工さんが想いを口にしてくれました。

「後の時代の職人がここを解体した時に“驚く”ような仕事をしてやろうと心がけている」と。

でも、合わせてこんなことも口にしていました。

「俺がこだわっているところはひとに言わせたら“どうでもいいところ”なんよ。必死でやっても、出来上がりを見て、お客様は見ても分からん。見えなくなるし、なんでもないところなんよ。他の大工仲間に言わせたらそんなところ、こだわってどうするん?やってもやらなくてもお金は変わらんじゃろ。ってことなんよ。だから、ただの“自己満足”でしかないんよ。でも、それをしないわけにはいかないし、見て見ぬふりもできん。」

そういう想いをもって一緒に“創って”くれているから、この人たちにお願いしているんです。