「クライアント様に悩んで頂くことも大切に」

「〇〇(店名)にO様がイメージされているような照明が比較的安くありましたよ。」
「え!じゃあ今週末行ってみよ。」
そのような会話からお迎えしたペンダント照明です。
空間で目に付くペンダント照明器具はクライアント様に委ねるようにしています。
お好みの照明をたのしんでもらいたいと思っています。
O様も「早く見てみたい!」とワクワクされていました。


こちらのペンダント照明は1年前からカタログで見ておられ、工事が決まるとすぐに購入されておられたので、更に待ち遠しくたのしみに待って頂いていたはずです。
このように、変わる空間に自ら編集した痕跡を残して頂くことが一番大切だと思っています。ペンダントなら後々気分転換で自ら交換も可能ですから。
「無茶振り?照明計画はバランス取れなくていいの?」
しかし、いきなり無茶振りのように「好きな器具を選んでみてください」と大量のカタログを渡されても困りますよね?
でも、まずはそうさせて頂きました。
ある程度、空間における照明の考えをお伝えさせて頂いた後、方向性を決めてからになりますが、少し無茶振りさせて頂きました。
それはなぜか・・・・。
クライアント様の好みとコスト感覚を僕自身の物差しと調整させて頂く為です。
カタログから好みのデザインを見つけてコストとのバランスを検討された上で、候補の器具を選ばれます。なぜその器具を候補に選ばれたのか?というその要因こそが、空間演出の手がかりになるからです。
その感覚を言葉にして伝えて頂くことで、こちらもさらにしっかりお手伝いできるようになります。
ただし、そっくりそのまま言葉を鵜呑みにするだけでなく、「なぜそう思われたのか?」ということを考えることができれば、よりよい提案ができることも増えるというところが大切なポイントです。
これこそが、クライアント様の感性を最大限生かす為の重要な感覚になります。

「基本は“あかり”のみで演出」
その他の空間照明の考え方はシンプルにしています。
欲しいのは器具デザインの美しさではなく「あかり」のみです。


いかに天井や壁を照らし、あかりで空間を広げるか。
シンプルにそれをベースにしています。
ダウンライトもその位置で空間の感じ方が変わります。

このようにシンプルな「あかり」にすることで、クライアント様の選ばれる照明が引き立つようになります。
今回もうまく馴染んでくれたように思います。

「全てお任せではなく、一緒に悩むことから」
大切なのは、その後の日常生活を創意工夫して面白がって頂くことです。
その為のスタートとして、「お任せ」ではなく、打ち合わせ段階から悩んで、イメージして頂くことから始まります。
その悩みの末に選ばれたモノによって日常生活空間が変わったとき、そのなんとも言えない感動が胸の中に生まれるのだと思います。
その感情が動いた痕跡こそが、今後の日常生活を創意工夫して面白がろうとする原動力、エネルギーになってくれると思っています。
日常生活を創意工夫で面白く。
「よし!明日もベストを尽くして面白がりましょ。」
と、1日の終わりに口にできるように。