(竣工1990年代)残りものリノベ「この和室浮いてしまわないですかね?」

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「和室を解体もせずそのまま残すリノベ」

当初和室も畳を無くし、フローリングにする事を検討されていたクライアント様。

打合せを重ねるにしたがってこれまでの暮らしと今後の暮らしを検討され、このまま畳のスタイルを残される決断をされました。

しかし、その後も和室以外の空間の検討をされるにつれ、

「この和室このまま残して他から浮いてしまわないですかね?」

と、クライアント様は少しだけ心配されておられました。

でも、僕は大丈夫だと思っていました。

クライアント様の好みは「北欧系」でシンプルにしたいという軸を持っておられたので、

「それなら和室はシンプルにして他に馴染ませるように持っていけます」

と、答えさせて頂いていました。

<和室の計画>

畳:既存畳表替え(灰桜)

壁:既存クロス上にクレイペイント(チャコールグレイ)塗装

木部:いろは(綿色)塗装

天井:既存ラミ天(残し)

建具全箇所作り替え:

入り口3枚引込み 白ポリ(両面)・押入れ シナベニヤ(両面)

「職人との苦悩」

一つ一つ地味ですが、職人のお仕事の見せ所です。

特に月と雨のリノベーションでは「塗装センス」が要になります。

通常リフォームでは塗装する場合、「新品同様に蘇らせる」ことを意識してのぞみますが、月と雨の場合

「古さを生かす」塗装を意識して貰います。

これが本当に難しいのです。

「正解がない」という難しさでしょうか・・・。

塗装する素材によって、僕も職人も驚くほど不思議な表情を見せてくれるからです。

「こう来たか!」

そんな感覚が毎回です。

それは時間と季節をため込んだ素材の個性。

でも正解はないといっても正解はあるんです。

「最終的に他の空間と馴染むこと」これが正解です。

「古い素材を生かす作業」

月と雨の「古さを生かす作業」は、職人と試し、積み上げた経験値で「ルーティン化」されています。

だけど、毎回最初の一歩目、途中段階、最終の検討・議論を二人で重ねています。

その良し悪しの物差しは「クライアント様の好みのセンス」という物差しを当てています。

普通の職人からすると「面倒」です。

だけど、シノブくんはそれに付き合ってくれて、挑戦してくれるんです。

月と雨のリノベは塗装のシノブくんのお陰で理想の追究ができています。

職人の「やりがい搾取」にならないように、頑張って高い単価を支払ってあげないといけません。その分、シノブくんが上を目指してくれる。これが理想のバランス感覚です。

「ひとの手で紡ぐ」

ここから更に空間を引き締めてくれる建具工事

畳を入れて、仕上げた障子をはめ込めば

キッチンからの眺めもシンプルにかわいい和室になりました。

和室からの眺めもシンプルに流れるように馴染んでくれていると思います。

このO様の住居の工事最後のエピソード言えば、やはりこの和室の障子をはめ込んだ時の奥様が感動して下さっている姿でしょうか。

塗装職人のシノブくんと奥様と3人での“あの時のエピソード”は、このリノベ物語の「あとがき」で細かな描写まで描かれそうなくらい映像として残り、ずっと語り継がれそうですね。

シンプルな和室はシンプルで古かわいいレトロモダンな空間にしっかり馴染みます!