Problem

「残りものリノベ」とは

「誰の目にも止まらず残ったもの」にこそ、「とてつもなく自由に広がる発想が潜んでいる」という視点からスタートするリノベです。

残りものと向き合い、そのものを太陽に輝かせるのではなく、優しく光を受けて表情を変える月のように、何かと対比させることで、残りものが紡いだ翳りを生かし、名残惜しいという感情に似た感覚を人の心に灯そうという挑戦です。

豪雨災害で土砂が入った玄関ホールの床下。

床の下地が傷んでいることと、既存の骨組みが弱いので構造から組み替える計画。

しかし、この「古さの魅力」が漂っている空間を出来るだけ維持していきたいので、一度解体して「可能なら」玄関框とその下の敷居も「残りもの」として再生したいなと内心考えていました。

そして、解体。

よく馴染んでいて気づかなかったのですが、解体してみると、リフォームの痕跡が出てきて、雰囲気のよかった素材は傷んでいた部位を隠すように追い貼りされていました。

残念ながら・・・・元気そうに見えた素材でしたが、見えていない部位、隠れている裏側は・・・・腐食していました。

これを密かに再生させてクライアント様へのサプライズにしたかったのですが・・・・この状態では同じ用途としては再生できませんでした。

素材の魅力、新しい素材としての対比としてもとても面白そうだったのですが、残念です。

「残りもの」として生かして、記憶も紡ぐ素材の魅力というポイントになって貰いたかったのですが、「腐っている」ということはよくあります。これが残りものリノベの苦悩です。

しかし、

できないことを考えるより、切り替えて目の前の空間と向き合い直して、何か別のアイデア、工夫を紡ぎたいと思います。

解体して造り替えた床以外は、「残りもの」がしっかり残っていますから。この空間のバランスを崩しながらも、整えていきたいと思います。

毎日が挑戦です。

思い通りにいかないことを、工夫を紡いで面白く!

失敗を恐れず、何ものにも拘らず。

クライアント様とその都度打ち合わせを重ねながら、時には違和感のあるモノやコトを組み合わせることで、ひとの感情を動かし続けるエネルギーを掘り起こしていきましょ。