サイズ感、全体のバランスを自分が把握するためにも「手描き」でスケッチしています。
造る上で一番大切なのは、当たり前だけど「クライアント様が喜んでくださる」こと。
クライアント様の気持ちが一番大切。
クライアント様は自分の好みやご要望を全て言葉にできるわけではありません。
でも、図面とスケッチでイメージできれば

「そういえば、ここが気になる」
「伝え忘れていたこと」
「実際にイメージしてみて初めて気づいたこと」などがポンッと出てきます。
それを拾い上げます。そこからがやっとスタートライン。
それを“繰り返して”やっと前に少しずつ進む。それがベストな打ち合わせ。
一般的寸法の意味を踏まえた上で、クライアント様と決めた寸法には全て意味があります。
その意味は「クライアント様の生活にとって快適となる寸法」です。

事前に打ち合わせを重ねても、実際に見て気づくこともあると思います。
それも当然。
だから、今までの打ち合わせの流れを整理して、そこからまたベストなアイデアを一緒に考える。


「できません」「イメージと違うからやり変え」そんな悲しい言葉を重ね合うのではなく、一緒になって考えて、一緒に悩んで、何度も繰り返してもそれでも「完璧」なことなどありません。
それでも、一緒になって考えて来た土台があるからこそ、「今できるベストを尽くす」ことは可能です。
人と人のやりとりだから、完璧に伝わることの方が難しい。
だから、
お互い一生懸命やってうまくいかない時は「自分も責めない」かわりに「相手も責めない」
そして、
お互い気を使わないかわりに、心を配る。だから、相手にも気を使わせない。相手の喜ぶことをするだけ。
そのような関係が着工する時までに築けている事がベスト。
そこに辿り着くまでに近道などなくて、何度も打ち合わせを重ねる事が大切だと思っています。これは手描きのスケッチと同じように、時代が変わっても効率とかそういう次元の問題ではなく、一緒に小さく時を重ねていく作業が一番大切であり、唯一の近道だと思っています。
クライアント様に喜んで頂くことは最低条件。
今、自分ができることを必死でやって誰かの役に立つ事、それが生きるという事。
