JUNK WORKS 020-3

今回は旧い家を素敵に住みこなされているクライアント様との残りものリノベ工事のモルタル土間のお話。

災害で土砂の入った玄関の補修。床下の隙間防止と補修部の断熱をプラスして、少し使い勝手の機能も加えています。

土間はクライアント様のご要望である「お掃除しやすく」という目的を持って、更にこの素敵な古いお家の魅力を引き立たせる為にモルタル土間のコテ押さえを選択。

既存の土間タイルも古くて素敵だったのですが、玄関ドアの取替の際に敷居まできれいに取替えが容易にできたので、この際周りの気になる部位の補修も兼ねて土間変更。

解体

昔の施工なので、既存土間は簡単に壊す事ができるかと予想しておりましたが、残念。改修を重ねられたのか、結構な土間でございました。

でも、お陰でモルタル土間の厚み(塗りシロ)を懸念しておりましたが、十分に調整ができるようになりました。

再利用

エコな取り組みほど手間がかかるものです。

解体で出る廃材を少しでも減らす事もコストの為というよりは「エコ」の為になります。

しかし、それは同時に手間な作業になる事がほとんど。

既存土間の解体で出たモルタルの塊を品質と施工性が落ちないようなサイズまで砕きます。これがまた、大変。(通常、これをするくらいなら全部捨てて、新たに砕石を入れる方が手間もかからず早いと思いますが、エコは多くは自己満足の世界かもしれません。少しでもscrap&buildを変えていく一歩になりますよね。)

丁寧に行えば、この作業途中の風景ですら「カッコよく美しいもの」となります。これが現場の一つのバロメーター。「良いものができている」手応えは作業途中で掴めます。

左官工事

エコな作業と同じように「シンプルなものづくり」ほど手間がかかる場合があります。

それが、このモルタルコテ押さえ。

これを選択する以上「ヘアークラック」が出てしまうもの。そのヘアークラックですらこの素敵な古いお家にとって、良い風合いになるから「あえてそれを選ぶ」という思考になるのですが、左官職人は違います。

「クラックは出来るだけ出したくない」そう考えます。

「起こりやすい施工」に対して「極力起こらないように手を尽くす」ほど神経を使い、手間をかけることはありません。

それでも、

試行錯誤して、それをなんとかしようと面白がるのも素敵な職人です。

手間をかけるほど深く

そうして「手間なこと」を積み上げて出来上がった空間ほど、正しく時間をため込み深みを増してくれるようになります。

そこに職人の「心」が刻まれているから。

どんな高価な材料を使うより、どんな新しい素材を採用するより、職人が正しい心を込めてつくったものは、時間をため込むことで深い味わいを醸し出してくれます。完工時よりも1ヶ月後、半年後、1年後、3年後、5年後、10年後と住む人のモチベーションを上げてくれる姿になると思います。

家の価値は下がるだけでなく、上げていけるものだと信じています。