(まえがき)時季つむぎ

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しあわせな暮らしを目的にしています。

しあわせな暮らしには工夫が必要です。工夫とはあなたらしさを問い続けることです。暮らしはあなたの価値観、あなたの生き方です。暮らしの中で不具合、問題が出た時ほど「よし!」です。暮らしの中の不具合や問題は、あなたらしさの魅力にかわる種ですから。

しあわせな暮らしとは、目に見えない心持ちやちょっとした工夫です。暮らしの視点は人それぞれ、その暮らし方の一つの概念として、マイナスなことでもプラスに捉え、思い通りにならないことすら工夫しておもしろがる「時季つむぎ」を実践しています。

“「時季つむぎ」とは”

「暮らしの感性」であり「暮らしの工夫」

常用品に「時間を貯め込み、自然の四季と共に人生の季節をつむぐ」ことを“時季(とき)つむぎ”と称しています。

古くなったら新しいモノに取り替えるのではなく、そのモノに時間を貯め込むように使い古して時をつむいでいきましょう。時をつむいだモノには新品にはない魅力が必ず宿ります。それは美しい翳りです。

“時季つむぎ”の暮らしは住居に少しずつ時間を貯め込み、自然の四季と共に人生の季節をつむぐ暮らしです。“使っていて心あがる”が「時季つむぎ」の原動力。お金をかけず、既存のものでも不思議なほどかっこいい部分を生かし見立て、美しく誂えることを大切にしています。

季節の移り変わりに人一倍敏感になり、焦ることなく手間ひまかけて小さく時をつむぐ、簡素でありながら美しい暮らしをあなたにも。人生にも明暗があり季節もあります。今の為につむがれた昨日があり、明日の為に今を一心につむいでいきましょう。そして、今日も一日の最後は心穏やかに「よし!あしたもがんばりましょ。」と、口ずさみながら。

〜時のつむぎ方(暮らしの感性)〜

月を美しいと感じる心で雨を聴く

今日も一日の最後は心穏やかに。外ではあわただしく疲れる毎日です。せめて住居にはちょっとだけ繫がりの断絶を。空間の一部に平穏と沈黙、そして追憶を盛り付け心に静寂を。身も心も休まるように。住居空間には少しばかり「静けさ」に満ち溢れる工夫があってもよいのではないでしょうか。世の中は前向きで明るいことばかりに価値をおく傾向があります。しかし、それは反対のことも存在するからこそ成り立っています。どちらも存在して初めて明暗のコントラストが奥行きを生み、美しくしてくれます。昔の人は美しく「魅せる」ために翳りを利用するように至ったとも言われています。

美しい翳りを生かし、静寂をつくる

季節、時間、天候、その時の気分で、安堵の為の深い溜め息をゆっくりつける暮らしも必要です。

季節感を美に表現し、簡素でありながら美しい暮らしを、手間ひまかけてうたうようにゆっくりと時をつむぐことを大切にしたいものです。

住居に静寂や追憶をつむぐ「美しい翳り」を少し添えてみましょう。古い家の場合は「美しい翳り」をまず生かすことを考えてみましょう。

それでも人生は続くのですから。

〜季節のつむぎ方(暮らしの工夫)〜

思い通りにならないから、おもしろい

今ある条件の中で出来ない事を考えるより、その中で自分が出来る事を考え、今を一心に味わうことを大切に。どうしたらいいか考える力こそ生活力。それは生き方としてもつむがれます。それがDIYの原点。

制限があるから、おもしろい。思い通りにならないから、おもしろい。何でもおもしろがる為に、自分でやれる限りのことをするのです。この暮らしの中で失敗を経験して、また力を蓄えることができます。

例えば、

雑草を抜く、落ち葉を掃く、床を拭くなど日々の掃除をする行為。

傷んできたものに再び塗装するなどのメンテナンス行為。

ある季節になると虫や動物への対策行為まで。

暮らしの中の行為には、モノとの関係が大切になります。

無いものを欲しがるより、手持ちのものを「見立て」て、それに合わせて自分用に「誂える」ことを考えてみましょう。

それが心をあげてくれるものになってくれます。

心をあげてくれるモノのおかげで、暮らしの中の行為が「おもしろい時間」にかわります。その心をあげてくれるモノを使ってゆっくり手間ひまかけて、きたるべき季節の為の支度を少しずつ、つむいでおもしろがりましょう。

急がず、手間ひまかけて小さく時をつむぐことを意識していると、季節のうつろい、簡素な美しさを目にした時の“よろこび”を知ってしまいます。そうなると、その日々の行為がまた、おもしろくなります。

 問題や不具合こそ魅力にかえていきましょう

暮らしの中で何か問題が発生した時こそ、「よし!」と口にしてみましょう。

その問題を今あるものでどう対処してやろうかと考えてみます。そして、これをおもしろがりましょう。

暮らしの中でできることは何でも自分でやってみて、小さな「よし!」をつむいでいきます。

暮らしには、今をおもしろがる知恵が必要です。

それでも人生は続くのですから。

“こんな「時季つむぎ」のお話を少しだけ”

「時季つむぎ」は古いモノを愛でることからはじまりました。

古いモノは、美しさに奥行きを持っています。それは、ぼくたちの心に遠い思い出があり、懐かしい昨日があるから。古いモノは、埃がついても消えることのない輝きを持っている。そこには、目には見えない時がつむがれ、そのモノ固有の時が馴染んでいるから。それらが美しい翳りになります。

古いモノは、手間ひまかけて小さく時をつむぎ、じっくり待つことのよろこびを教えてくれます。

それは簡素でありながら美しい。

まだまだ使えるはずです。

新しいモノに更新するだけではいけません。それでは時がつむがれたものが何も無くなってしまいます。

モノを大切にして生きる暮らしも大切な美意識だと思います。

“「時季つむぎ」は、誰にでもはじめられます”

コツコツ小さく時を積み重ねます。

無理はしません。おもしろがる程度に小さく。

時間はかかるけど、「時が馴染む」のを少し手をかけ「待つ」。

「つむがれた時」は「想い」になります。そのつむがれた想いは、時が来ると美しい「変化」として見えるようになります。時が経つほど美しくなる「変化」こそが暮らしのよろこびになります。この暮らしはやがて目には見えない「自然と共に生きるたのしみ」を感じさせてくれます。四季の変化に気付くようになり、雨が降ることも、朽ちて土に還ることもおもしろくなります。

これが時季つむぎです。

「時季つむぎ」は、いつからでもどこからでもはじめられます。無い物を欲しがるより、ある物を使い切るように心がけます。今ある条件の中で出来ない事を考えるより、その中で自分が出来る事を考えておもしろがりましょう。

“大切なのは完成を急がないこと”

手間ひまかけて“小さく時をつむぐこと。今の為につむがれた昨日があり、明日の為に今をつむいでいます。住居に静寂や追憶を、暮らしには今をたのしむ知恵を。「時季つむぎ」を暮らしの中に小さく織り込んでいきましょう。

うたうようにゆっくりと。

そして、一日の最後は心穏やかに

あしたはもっと良いものに。

「よし!あしたもがんばりましょ。」