故びた時に美しくなるかどうか
そこで大切になるのは「手入れのしがい」である。
時々手入れすることで
それに応えてくれる家であり庭であること。
「今日も暮らしに風情を」
「蘇らせる」ではなく「故さを生かす」素材
「雨は花を育てる」
雨は田畑も潤し、穀物などの種子の生長を助けてくれます。
故い家にそんな雨のような素材を手で紡ぐ。
月と雨のリノベーションの志を基準に素材を選択しています。
シンプルで、かわいらしいく
それでいて、タフで 気負わず使えるものであること。
使い込むほどに魅力が増し、永く使いたくなる素材であること。
セレクトイメージは
WHITE CANVAS TOTE
生活は作業の連続です。
空間はカジュアルでありながら、時にツールバッグのように実用的であること。
何十年も使い古して自分らしく馴染んだ「古かわいいホワイトキャンバストート」を育てましょ。
「時間を溜め込む素材」床・壁・天井
空気感を変えるだけでなく、室内の空気も変えるという機能性。
素材で紡ぐ穏やかな香りで落ち着く空間に誂えましょ。
この床に、忘れていた「床に座る」という感覚を再び教わりました。
そして、この床は「家具」と同じ「家財」になります。
「時季つむぎ」(モノに時間を貯め込み、季節をつむいぐ)の暮らしを少し実践してみてください。
そして、時間を貯め込み馴染んだ床には奥行きが生まれ、美しい翳りを映し暮らしに「静寂」を落としてくれます。
あとは時間が美しくしてくれる素材
時間という価値を織り込む意識で、古色を帯びる素材を選びます。
「時季(とき)つむぎの素材」の魅力は使い倒してこそ。
つくりながら暮らす。
自ら手を加えるという暮らし。
自分でなおせるモノを選ぶ。
壊れたら自分の一点モノづくりにチャレンジする。
つくり手と直接つながる。
これが、なおしながら使い切るポイントです。
地元で手に入る素材や材料を調べます。
これも、なおしながら使い切る大切なポイントです。
気に入って大切にしているものほど、壊れたり傷んだりするものです。
そこから修復すればもっと深いつながりが生まれ、今まで以上に馴染むものです。
だから、なおして使えるモノ、なおして使える環境でないと暮らしはたのしめないと思うのです。
つくる事を通して失敗を経験する。
失敗は発見のもと、くよくよしないでチャンスに変えます。
失敗もつむぎながら知恵をたくわえます。
どうしたらいいかを考える、その力こそが「生活力」です。
制限があるからたのしい。
思い通りにならないからたのしい。
自分でやれる限りのことをやろうと思います。
これも時季つむぎの暮らしです。
時季つむぎの暮らしの中で、たのしみの見つけ方を発見しています。
つくり手と使い手の心が滲んで見える素材がある。時が経つほどに美しく。使い込むほどに美しく。
それは年月を経てそなわる美しい魅力になります。
つくり手と使い手が共に小さく時をつむぐ素材がここにあります。
月と雨建築舎ではクライアント様の暮らしの悩み、夢や理想とするイメージ、そして地域性などに合わせて素材を提案しています。ここでご紹介させて頂く素材はほんの一部ですが、その中でもその素材につくり手の想いやストーリーのあるものを少しだけご紹介させて頂きます。こんな想いやストーリーを少し知っていることも“愛着”につながると思うので、あなたが“永く愛せるモノを選ぶ”為の基準の一つになれたら幸せです。
そして、何より「永く愛着を持って住み続ける」為に見た目以上に重要になるのが・・・・・「暑い」「寒い」という不快感、生活費の負担になるエネルギーの浪費という問題を解決する、「快適で省エネ、さらにその性能を長持ちさせる」デザインのご提案をしていくということです。選択肢の一つとして参考にしてみて下さい。
「古いモノを愛する人の為」に使い古された素材の本質を最大限引き立たせるその要素一つが、何とも言えない淡い白色で空間を演出してくれる 「クレイペイント」です。
(粘土塗料)クレイペイント
(ドイツ)
この素材は「故いモノを愛する人の居室」にピッタリな要素をもっています。
クレイペイントは環境先進国ドイツで開発された自然粘土塗料。成分の98%以上が天然の植物と鉱物からできています。
特性は
脱臭力
ホコリを防ぐ
優れた吸放湿性でカビ・ダニを防ぐ
夏はサラサラ、冬はしっとりの空間
そして、一番大切な質感として「艶消し」ということ。
古材の傷を「記憶」として引き出しつつ、古い家特有の「匂い」「ホコリ」「カビ・ダニ」対策にも効果があります。
(床材)森の学校
西粟倉村からの贈りもの
(森の学校 岡山県西粟倉村 百年の森構想)
月と雨 建築舎がこのニシアワーの素材をピックアップしているのは、この質感とお手頃な価格というだけでなく、「西粟倉村 百年の森構想」による地域に愛着を持とうとする想い、そしてなにより村が村らしくあるために地域の個性を見失わないように「上質な田舎づくり」をめざしている地域の活動を大切にしたいと思っているからです。
月と雨 建築舎が「木造住宅改修専門の住宅再生屋」を掲げさせているのも、事業の活動目的として社会問題化している「空家問題」について月と雨 建築舎の活動が役に立つようになって欲しいと考えているからです。空家問題はリフォーム、リノベーションで住み手を探せばいいという問題ではないと個人的に思っています。日本全体で見失われている「地域性」を考え、その地域の個性を育てることが重要であると思います。これからは大きく街づくりを視野に入れ、人の集まる為の条件、人が住み続ける為の条件を創り出し、考え続け存続させることが重要だと感じています。その視点で改めて西粟倉村の取り組みをみた時、この西粟倉村「百年の森構想」の活動が「地域の個性を育てたモデル」として存続することこそ「空家問題」のさらにもう一つの解であると思います。