リノベするという美意識
故い家の生命力を見極め 工夫して使いこなす自己表現 不便こそ情緒的価値に変えて生かすという美意識
なぜ故い家?
→ 今あるものを生かせるから。
それは、お金をかけずに「今あるものを生かして」工夫すれば“雰囲気”が容易に出せるからです。
日本の住宅産業の事情から築年数の新しいものよりも故い家の方が価格の魅力があります。
大切なのは「豊かな不便」も少し残すこと。
心を豊かにしてくれる生活って「不便さも愉しめる」ことが大切。
現代の便利な家にはない「不便さや足りないもの」の面白さが魅力。
普通の故い家にある、直しながら使い続ける先の美を大切に。
便利が飽和している日常に
少しばかりの「不便」も残し
非日常的不便さを面白がりましょ。
日本の住宅歴史|故い家の基礎知識
故いものを生かす基準
「隙」や「風情」を生かす
今あるものを生かす基準は
少しばかりの「非日常や不便さ」
そこに宿る「ゆたかさ」を大切に
故い家の持つ「隙」や不完全な美・枯れた美の「風情」です。
南北の風通しを確保して
日本的なる美意識、回遊とたまりの「間」をデザインし
凝縮と拡りの行動的空間をリノベーションで計画致します。
「消耗品」に記憶が刻まれることはない
だから、
「消費」させない魅力を。
記憶を紡ぎたくなる魅力を。
創り、直し、使い続ける。
なぜリノベなのか?
それはすでに都市への住宅供給が飽和状態になっているにも関わらず、さらには人口減少している時代にも関わらず、新築が増え続けているからです。
戸建てもマンションも新築が増え続けているからこそリノベのメリットが出てきます。
故い家の敷地、環境の魅力
自宅の1番の条件は「立地条件」だったと思います。新築至上主義ではこれを騙し騙し妥協してきました。それもひと昔前までは。
ひと昔前までは、条件の良い場所はすでに既存住宅で占領されていました。現在ではそこが空き家になり売りに出る時代です。新築が増えればさらに空き家も増えていくでしょう。
狭い敷地でパンパンに家を建てている現在の新築より、陽当たり、風通しを重視して豊かに土地を活用できた時代の故い家は建物の生活環境に加え、敷地で植栽、畑、BBQ、地域によってはキャンプ、アスレチックまで遊び尽くせます。手間のかかる生活と同時にその手間は豊かな遊びになります。
また、悲しいことに現在の日本の「不動産価値」は“建物が古くなると価値がなくなる”というもの。劣化した家は「価値がない」0円で敷地評価額だけなら、それを逆に利用しない手はありません!
劣化した家を購入し、自分たちの手で美しく甦らせることで資産価値を上げる欧米の文化を、今は自分基準としてしっかり持ってDIYを普及・発達し、インテリアのスキルを高めていきましょう!
それを目的にして故い家を見定めるポイントを一つ。
内装はリノベーションで変えようがありますが、構造・窓の配置、大きなどの変更は大きな費用を伴います。低予算で変えられない部分をしっかりチェックして、そこを手を加えず「生かせる」ことができれば理想的です。
現在の日本は、住居すら経済の理論だけで判断され「消耗品」のように経年減価として判断されてしまいます。
「消耗品」に記憶を刻もうと考える人は少ないでしょう。だから日本の街がいつまでも美しく成熟できないのだと思います。
まずは、消耗品という価値観を変えていくことが必要です。今あるものを生かして味方につけていく道を探していかないといけません。
その為には、経済理論の物差しを跳ね返すだけの「心を奪う魅力」が必要です。
大切なのは二つ。
一つは時間と季節を刻んだ美しさを“心を奪われる魅力”に引き上げること。
そして、もう一つ。
いざという時に頼れる、「直せる人・直せるチーム」がいるということが大切になります。
説得力のある「魅力」「美しさ」を創る必要があります。それと当時に、古いものを使い続ける安心感が必要です。
今あるものを生かし使い続ける。壊れたら捨てるのではなく、直して使います。役目を終えても「何かに使えないか」と「見立て・誂える」ことで新しい命を吹き込めます。その生活はとてもゆたかで面白い挑戦です。日々好日をもたらしてくれます。
それが月と雨 建築舎の「残りものリノベ」という挑戦です。
今、狙うべきは・・
今狙うべきは
“自分にとって”立地条件の良い物件を妥協せず購入すること。
大概はそんな物件は築年数の割に高価なものだと思います。
だから、
そこを自分なりに安くリノベする事が一番大切になります。
月と雨のリノベは、今あるものを生かす「小さなリノベ」をベースに
300万円〜500万円以下
を、まず基準にして計画しています。
これからの老後を見据えて・・
1970年代から80年代の広島の団地は「郊外型」がほとんどです。現在では販売利益重視で50坪未満が当たり前の区画割になってしまった敷地と違い、60坪前後の丁度良い敷地広さと住環境の好条件を確保した団地が多くあります。
この年代の郊外型住宅はゆとりを持って「家庭菜園」可能です。そこには「老後2,000万円問題」に自分らしく面白く対策が打てる暮らしがあります。
またもう一つは、その年代のマンションは中心部のど真ん中の好立地にあるものが多いです。耐震・修繕積立には注意しないといけませんが、「高齢者運転免許返納問題」を考慮すると「都心居住」は理想的です。
避けて通れない老後問題にも、自分の価値観を大切にして「本質的豊かさ」を妥協なく実践できる暮らしがこれら2つにはあります。
さらに本質的なゆたかさを実感できるライフワークとして提案しているのが「時季つむぎ」というスタイルです。
それは次のページで詳しく説明しています。「まずは自分でやってみる」ことに興味を持って頂けるようでしたら是非。
目指す価格は・・
そして、目指す価格はワンストップ不動産型の「中古物件以上新築以下の価格」ではなく、
「リノベ予算込みで中古物件以下の価格!」
です。
狙うは
「立地条件の良い、お手頃「築古」物件」
です。
「築古物件」は購入前に住宅診断(インスペクション)すると予算対策も打てますので、不安に対して理論的に対処できる物件をきっちり検討していきましょう。
これからの人生設計においては何よりも、大きなローンも組まず、手持ちのお金も確保しておく事が大切ですから。
これは「妥協ではなく対策」です。
この対策には、本質的にゆたかな暮らしを自分らしく面白がる要素が沢山ありますから。
先を見据えた「ゆたかさの本質」を考える
これからは持ち家ではなく、賃貸暮らしも見直されると思います。
しかし、
これからくる時代を見据えて“本質的な自分らしいゆたかさ”を「このような暮らしをリノベーションして手に入れる」ということも、選択肢の一つとして考えてみるのも良いのではないでしょうか。
日常生活の中で「思い通りにならないこと」が発生した時こそ、「よし!」と口にしてみます。
まずは、「スローダウン」します。
「自分で考え、やってみる」から“創意工夫”が生まれます。
そこから「もっと、こうしたい!」という感情が生まれた時に目的達成です。
その時はじめて「本質的なゆたかさ」に気づくことでしょう。
創意工夫して、日常生活を面白がりましょ。
大切なのは「スローダウン」すること。
そして「まずは自分でやってみる」こと。これが自分にとってセラピーになります。
今ある条件の中で出来ないことを考えるより、その中で自分ができることを考えましょ。思い通りにならないから、面白いということもあります。
スローダウンすれば気づくはずです。
「今を一心に味わっている」と。
更に振り返り、身の回りを見渡せば気づくことでしょう。
“自分が”時間を貯め込み、“自分の”人生の季節を紡いだ「時季つむぎのモノ」に囲まれている事に。その幸せに。
日常の本質的ゆたかさを、リノベとDIYで掘り起こしましょ!