昔、そのままでは使えなくなった道具を頂きました。
それを今回師匠(秋田大工さん)に相談したら、「研ぎ」を教えてくれました。



師匠はこう言います。「今の大工には時間をかけて道具を直すことは教えられない。道具を新しくして直す時間を少しでも作業にあてないとお金にならないから。」
単価と技術の問題は綺麗事ではなく複雑です。今は職人の世界ではない僕たちの生活もそうかもしれません。だけど、日常を考えると時間をかけて自分で直して使うということはなんと豊かなことだろうと思うのです。
古くなったから、使えなくなったから捨てる。ではなく、直し方を覚えて直しながら使うということ。こんな時間の無駄も続けてみると日常が豊かになるような気がするのです。まして、残りものリノベを仕事にしている者としては、こういう「作法」から学び何かに生かしているような気がします。
しかし、これができるのも「直し方を知っている人が近くにいる」からできることですよね。だから直し方を教わる環境があれば積極的に教わっておきたいと行動しております。そして、旧い家に対して僕がそういう存在になりたいと思いながら、様々な問題にぶち当たり遠回りを全力で走っているのがもう一つの現実です。
「なんとかしてあげたい」「工夫してなんとかできないか」と常に思って行動したことが、気づけば器用貧乏。自分自身のサービスにつながりお金を削り、お金と技術といい仕事と夢のバランス関係を崩して・・・違う、こんなんじゃないと。それでも・・・・ベストを尽くして自分の信念のような最初の大切な想いを忘れずいたいと抗っておりまする。
明日もベストを尽くして面白がりましょ。
