「解体すると500万円かかると言われた。」そんなことからご相談を頂きました。島は道幅も狭く、大型車両の問題、重機の問題、そして処分場との距離。そんな条件だからでしょうか。確かに、こんな費用はかけられない・・・。
屋根を直して少しでも長持ちさせて倉庫として活用したい。そういう想いを伺い出来るだけコストのかからない方法で職人さんと計画段階から工夫し取り組んだ瓦屋根の改修工事でした。
実際に上の写真のように軒先が折れて沈んでいる部分も見られました。今は離れとなった建物。昔はここが母家で暮らされていた所。大工をされていた亡くなったお父様が建てられたお家。そのようなお話も伺い、ただローコストで改修すればいいというものではないなと感じました。
改修する前の様子はこのような状態。


老朽化、耐震基準・・・。そんな言葉も心配されますが。実際、お父様が使われている技術は今では見られない難しい加工もされており、この家は簡単には崩れない。
素材を見ても、今では手に入らない、そして、昔の加工技術で創り出されたものでした。
今回も、築年数が古いから・・・、建物の狂いは直せないから・・・。などの言いわけをして改修するのではなく、出来る限り「ある一定の歪みを修正しながら、美しいラインを蘇らせる」そんな取り組みになりました。
何を基準にして、どのラインを整えるか。全体のバランス。家のタメを考えながら。



















