Renovationで感じる「夜の秋」

寂リノベ

最近は猛暑が長く「秋が無くなってきている」と耳にするのですが、季語には「夜の秋」という言葉があります。秋の夜ではなく、「夜の秋」なのです。そして秋の季語ではなく夏の季語なのです。

「それは昔の気候だからだよ、今はもう異常気象で・・・」などと諦めないでください。今も感覚を研ぎ澄ませてみると、ここ数日夜にはちゃんと秋を感じるのです。

日中は夏日を記録する気温でも今年は熱帯夜は少なく、夜になると涼味をまし、虫の音も聞こえ始めてなにかもう秋の夜であるかのような錯覚すらおぼえます。(嫁さん曰く、住んでいるここが特別。うちが山にあるという証拠だよと苦笑いする環境でもあるとは思うのですが・・・・)

気候変動が叫ばれている現代でも、夜にはちゃんと秋があるようです。

これを感じるには窓を開け室内に風を通す間取りでないといけません。エアコン、空調に頼った家づくりでは窓の計画が疎かになるケースも見受けられます。高性能もエコなのですが本来エコとはひとりひとりが「エコとはどういうものか」を暮らしんがらしっかり考えることが大切ではないかと思うのです。悪口ではなく便利の良い「多様性」という言葉でまとめると一つの意見として聞き流して下さい。何かに対する否定でも肯定でもありません。

数年前過労な日々を送っていた時は「窓を開けても熱風しか入ってこない時代です」などと口にして新築を施工していたのが大変罪だと反省しているこの頃です。落ち着いて五感を研ぎ澄まさないとこれに気付けない現代ではありますが、家中の熱気を逃すために南北の風通しを行える昔の家をリノベするようになり改めて、日本の蓄積された知恵・この国の気候に適した暮らし方を放棄してはいけないのだとも思うようになりました。

さて、今日の設計ですがワンルームマンションの室内のリノベ計画です。マンションでは南北の風通しは難しい場合が多いのですが、それでもちょっとしたところにこの国の美しい美意識を織り交ぜてご提案させて頂こうと思います。

暦上では8月7日の立秋が近づいてきましたが、まだまだ夏はこれからですね。昼間を大汗かきながら熱中症予防に意識を取られる厳しい日々ですが、せめて夜は窓を開け、涼しい空気に触れながら耳を澄まし「夜の秋」美しい日本の季節をたのしみたいものです。

今日も暮らしに風情を。

直し誂る「住みながらリノベ」の 月と雨建築舎

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