古い家の外壁を塗り替えるとき、「せっかくなら新築のようにきれいにしたい」と考える方もいれば、「この家らしい雰囲気は残したい」と考える方もいます。
どちらが正しいということではありません。
大切なのは、その家でどんな暮らしを続けたいのかという視点です。
長い年月を過ごしてきた家には、新しい建物にはない表情があります。その魅力を活かしながら、これからも気持ちよく暮らせる住まいへ整えることも、一つのリフォームの考え方です。
今回は、古い家の雰囲気を残しながら外壁を白く整えるという選択が向いているケースと、その判断基準をご紹介します。
今回の判断基準
このような方にはおすすめです。
- 古い家の雰囲気が好き
- 新築のような仕上がりは求めていない
- 清潔感はほしい
- 庭や植栽との調和を大切にしたい
- 今あるものを活かしながら暮らしたい
一方で、
- 新築のような均一な仕上がりを希望する
- 流行のデザインに一新したい
- 外壁材ごと新しくしたい
という場合には、別のリフォーム方法が向いていることもあります。
おすすめするケース
古い家らしい表情を残したい
外壁は、家の印象を大きく左右します。
だからこそ、すべてを新しく見せることだけが正解ではありません。
少し凹凸のある塗り壁や、長い年月で生まれた陰影を活かすことで、その家らしい落ち着いた表情が残ります。
暮らしに馴染む外観にしたい
白い外壁は目立たせるためではなく、庭の緑や木製の建具、古い素材を引き立てる背景にもなります。
外壁だけを見るのではなく、家全体の雰囲気で考えることが大切です。
長く住み続ける住まいだから
外壁を整えることで、防水性を回復させながら、これから先も安心して暮らせる住まいになります。
見た目だけではなく、建物を守るという役割も大切な目的です。
おすすめしないケース
新築のような外観を目指したい
古い家らしさを残す仕上げは、均一でピカピカの外観とは違います。
「新築のように見せたい」というご希望であれば、別の塗料や外壁材の方が満足度は高くなります。
家全体をデザイン変更したい
外壁だけでなく、窓や屋根、玄関まで大きく印象を変えたい場合には、外壁塗装だけでは物足りないこともあります。
その場合は、リノベーション全体で考える方が暮らしに合った提案ができます。
判断するときの注意点
古い家の魅力は、「古いこと」そのものではありません。
時間を重ねた素材感や、庭との関係、光の当たり方などが重なって、その家だけの雰囲気が生まれています。
外壁塗装では、色だけでなく、その雰囲気まで変えてしまうことがあります。
だから月と雨建築舎では、
「何色に塗るか」よりも、「何を残したいのか」
を大切に考えています。
残すものが決まると、自然と色や仕上がりも決まってきます。
この実例では
今回のお住まいでは、「古い家らしい雰囲気は好きだけれど、少し暗い印象を明るくしたい」というご要望がありました。
そこで、外壁を白く整えながらも、家が持つ凹凸や素材感、年月を重ねた表情はそのまま活かす仕上げをご提案しました。
完成後は、新築のように生まれ変わったというよりも、「この家らしさはそのままに、気持ちよく暮らせる住まいになった」と感じられる外観になりました。
この容姿のまま塗装できる部位を全て「白」にできるということに意味があり、
この日本の量産的文化住宅の和風スタイルの白い家にこそ新しい価値がある。

そして、この手法は30年以上経過した古材だからできる技であり、新築ではできない。
ここにリノベーションの可能性があり、流行とはまた別のベクトルを示すことができる。
そこに意味があり、価値がある。
これも大切に家を護り永く使い続ける手法。
一般的に汚れの気になる「白」でもこの和風スタイルの深い軒のあるお家なら、使い込み汚れてくることに価値を見出せる。そこにも意味がある。

低い軒は「暗さ」を懸念されることも多くなってきていたが、何より日本の気候に適して低い軒は完全に雨を遮ってくれる。むしろ、雨の時こそ風情がでる部位でもある。
その部位に白を使えば「低い軒」だからこそ明るさが入ってくる。

木部、壁面、軒裏。各部に「白」と言っても全て違う。
汚れ防止、カビ防止、艶の具合を部位によって変え長い目で長持ちすることを考えている。
それ以上に、「汚れること・風化すること」に価値を見出せるように考慮している。
これがもう少しで本当の姿になる。
しかしこの家はリノベしたての新しい時より5年、10年後にこそ真の美しさがあると思っている。

これと同じ思いで内部も創る。
内部はちょうど今「工事途中の芸術的美しさ」がバランスよく顔を覗かせている。
まとめ
古い家の外壁塗装は、古さを消すための工事ではありません。
これまで積み重ねてきた時間を大切にしながら、これからの暮らしを心地よく整えるための選択でもあります。
新しくすることを目的にするのではなく、その家らしさを活かしながら暮らしを整える。
そんな考え方に共感していただける方と、一緒に住まいづくりができれば嬉しく思います。
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「この家の雰囲気は残せるかな?」
「外壁はきれいにしたいけれど、新築のようにはしたくない。」
「今あるものを活かしたリフォームはできる?」
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