これから少し手が空いた時に、月と雨建築舎として「残りものリノベ」を行なってきた現場でのリアルな思考をまとめてみます。
と、いうのも残りものリノベでは一つとして同じアイデアを他へ使いまわせる案件はなく、経験をどれだけ積み上げても毎回別の挑戦をしており、いつも右往左往しながらも前に進んでいるわけなのです。それでも、考察を繰り返した手書きのノートには、これからのクライアント様にも役に立つであろう内容が残されています。それを共有すること、記録としてデジタル保存することも含めてここに記していこうと思います。
考察をまとめる方向性としては、まず旧い家の「床」「壁」「天井」の3つの部位についてどう向き合い、挑戦したかというところに注目してみたいと思っています。普段InstagramやTwitterでは「クライアント様のご要望をどう形にするか」という視点が多かったので、blogではじっくりとリアルな現場での思考をまとめて今後の自分の為にも記録しておこうと思いました。
まずは、リノベの醍醐味である「天井解体」のことを考察したいと思います。
天井解体でも今回は「旧い木造平家」の天井解体の考察です。
魅力は「丸太梁」が出てくること

解体してこのような丸太梁が出てくると魅力的ですよね。インテリアとしてもポイントになります。
この梁を見せるという計画になると、お金をかけず見た目だけ魅力を出す究極の選択肢は「天井を作らずそのまま露出」ということになるのですが、旧い木造平屋だとこの斜めに見えている面は「屋根」でその上は「瓦」ということになり外部です。
「暑い、寒い」がダイレクトに伝わってきますのでこの場合、現実的に住むための家としてリノベするなら究極の選択肢は一番お勧めできません。では「丸太梁を見せる」という魅力を残してリノベするにはどうするか、というのが次の段階です。
断熱層をどう計画するか

丸太梁を少しでも多く見せる為に、屋根に断熱層を設けて勾配天井としました。「丸太梁を少しでも多く見せる」という点では勾配天井を作る面を屋根垂木直にすれば最大限梁を見せることができるのですが、それでは断熱効果を最小限にまで殺すことになります。この案件の場合は県南部の比較的温暖な島の家でしたので、屋根直下ということも考慮して断熱材は100mmを最低限としました。

問題は「コスト」
この計画の場合問題は「コスト」です。
残りものリノベの想いとしては「お金をかけずに」ということを常に念頭に置いているのですが、そのポイントになる一つが「手間が無駄にかからない計画をする」ということにあります。この計画の場合「断熱材」は必要条件として、問題は「勾配天井」という内容です。
勾配天井のコストが上がる項目は
- 大工手間1「天井下地組の手間がかかること」
- 大工手間2「天井ボード貼りに手間がかかること(丸太の周り。勾配部の取り合い)
- 電気配線が絡む場合「配線手間と配線ルートが長くなり材料代もかかる」
- 天井・壁の面積が増えるので「下地」「仕上げ」ともコストアップ
このようなことが挙げれらます。


大切なポイントは「バランス感覚」



部分的にコストアップしたとしても、それ以外を「今あるものを生かす」リノベの手法を選んでしまえば全体コスト計画としては納めることができる場合もあります。
そして、旧い雰囲気を残しつつ、しっかり手を加えたところがあるからこそ、コントラストが効いている空間にできます。
「魅力」と「美しさ」は人それぞれですが、これが正解というものはなく一番大切なのは「バランス感覚」だとリノベでは思います。空間のバランス感覚と同時にコストのバランス感覚も追求し続けたいものです。
頑張った先に幸せを探していたあなたが、
今日の中に幸せを見出す人になる。
今を変える努力の先に幸せがあると信じ
流れてくる情報や物を探し続けた。
気づけばこの消費文化に少し疲れていた。
そんな '満たされない'モヤモヤへの処方箋。
あなたの[ほんとうのさいわい]は、
あなたの身近な日常の中にある。
あなたが
日々の小さなことに
”幸いを見出す視点”を育む
そのきっかけに
[今ある物に価値を見出し使い続ける]
この小さなリノベがなれたなら。
”幸いを見出す視点”
「Art de Vivre」
と
「物語のあるミニマリズム」
[故い]を付加価値に
あなたが日常の幸いを嗜む為の
4つのリノベ的試行.
①日常のささやかな贅沢を嗜む
「新しい光が入る古い窓辺でのコーヒー」
「残して直した古いカウンターでの朝食」
「磨き直した古い家具に一輪の花」
小さな工夫で今ここの幸いを味わう.
安価でも雰囲気のある素材を選び,
[あなたの心を穏やかに保つ習慣]を創る.
だから
古いからこその贅沢と幸福がある.
②直すからこそ得られる安心感
「壊れても直せる」と思えると,
古ものにあなたらしさの価値を見出し,
消費スタイルをシンプルにできる.
そのあなたのスタイルが心を満たす.
だから
大切に永く使い続ける幸福がある.
③あなたらしく,生きやすくなる
物を「減らす」より「選ぶ」
見る人の目を愉しませる為に,
あなたらしく「装う」こと.
比べず,心穏やかに自分を深く知る.
だから
[今ここ]に集中できる幸福がある.
④あなた自身が関わるから,心が軽い
シンプルに片付いた部屋ではなく
「ここには私の物語がある」と納得すると
余計な比較や不安から解放される.
失敗もクスッと笑えるユーモアになる.
だから
物が少なくても満たされる幸福がある.
今あるものに価値を見出し使い続けること.
それは大切なことに集中して
あなたらしく生きやすくするための手段.
今ここに集中できるようになり,
あなたの心を穏やかに保つ.
あなたの奥行きある魅力が内から滲む.
目的は幸福感の向上.
・日本の美意識で故もの生かす「白のリノベ」
・経年価値とあなたにとっての価値の最大化「白のDIY」
・雨漏り漏水調査.屋根葺替え.外壁塗装.エコキュート取替工事等、リノベ屋の感性と現場管理の経験と知恵を応用する「白のリフォーム(修繕)」
広島県内 住まいのことは月と雨建築舎へご相談ください。建築家の感性と学識に加え、家の構造・現場を熟知した設計工務店として設計監理・現場管理を行います。家全体の品質劣化・雨漏り・漏水などの瑕疵を防ぎます。
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