先日、蛍光灯照明器具をLED照明に交換する工事をさせて頂いたので
その時考えたことをまとめてみました。
目的は「節約と防災・リラックスできるあかり」
計画の概要
15.29(約16畳)のお部屋
逆富士形蛍光灯ベースライト 40型 9台
13.96(約14畳)のお部屋
逆富士形蛍光灯ベースライト 40型 6台
照明計画 (器具機能・演色提案)
各年齢、使い方に対応する「明るさ調整」
LED照明器具は部屋の用途、人の好み、年齢による目の感覚の違いなど考えるとなかなか難しい。
だから、エアコンの商品表示と同じく、照明器具の「畳数表示」を単純に鵜呑みにせず
まずは自分で計算してみる。
そこから、様々なお部屋の用途を考慮して器具の機能も選ぶ。
今回は、様々な人の好みに合わすためにまず
「調光機能付き」が第一条件
リラックスできる演色性
蛍光灯からの交換でせっかくなら雰囲気の変わる演色性
「温白色」3,500K(ケルビン)
を第2条件にまず検討してみる。
この2項目は照明器具代が上がる可能性があるので
全体予算が合わなければ変更する前提でスタート。
LEDの畳数計算(お部屋に適した明るさの最低値目安)[畳数×400lm]
一般的に、LED照明の明るさは部屋の用途や好みによって異なるが、1畳あたりの推奨ルーメン数の目安は以下の通り。
- リビングや寝室などの一般的な部屋: 1畳あたり約400〜600ルーメン
- キッチンや勉強部屋など、より明るさが必要な場所: 1畳あたり約700〜1000ルーメン
例えば、6畳のリビングなら、2,400〜3,600ルーメン程度が目安。
照明のデザインや照明器具の配置も考慮して、明るさを調整するのがおすすめ。
ギラギラ明るくなるのを嫌われることが多いので
少し落ち着いた明るさ「最低値」の目安を計算式にしてみる。
畳数ルーメン計算式(最低値目安)
畳数 × 400 lm(ルーメン)
今回の計画のお部屋は約16畳と約14畳
約16畳なら6,400ルーメンが最低目安
約14畳なら5,600ルーメンが最低目安と求められる。
ちなみにLED電球の目安
例えばPanasonic LED電球は
「60形 810ルーメン」
という表示で販売されている。
これを「畳数ルーメン計算式」で6畳2,400ルーメンと求めたお部屋には何個必要かと計画すると
2,400 ➗ 810 =2.96・・・となるので
最低でも「3個」は必要、もしくは3個でいいとなる。
照明器具検討[メーカー・器具]
メーカー選び
照明器具メーカーも色々あり見たらキリがない。
Panasonic・Koizumi ・DAIKO
高級なもので
YAGIWA
逆に価格だけで安さを求めたらホームセンターなどでは8,000円程度で「調光・調色」機能付きの器具が手に入る。
安さを求めるなら、そのような器具をお客様が好みの物を買って来て頂き、施主支給という形で取り付けるのが一番の節約になる。
だから
こちらで提案するのは「ある程度品質の良いものを、他よりもお手頃価格で提案できるもの」と考える。
メーカーは「オーデリック」
今回の提案はその中でセール品があったのでその中でご提案
最終的にこの2機種になる
年間電気代比較(蛍光灯とLED)[40,121円節約]
ここで取替前の蛍光灯と交換するLEDの消費電力の差から年間電気代を計算してみる
電気代は
2024年8月時点の高騰する電気料金の平均単価40円(1kWhあたり)を目安に計算する。
照明器具点灯時間を1日6時間と仮定して計算。
[約16畳のお部屋] 年間消費電気代 25,229円 お得になる
既存蛍光灯器具年間消費電気代
器具消費電力 40W × 9台 =360W(合計器具消費電力)
合計器具消費電力 360W × 1日6時間点灯 = 2,160Wh(このお部屋の照明器具 1日電力)
1年間で 2,160Wh × 365日 = 788,400Wh(788,4kWh)
年間電気代 788,4kWh × 40円 = 31,536円
新規LED器具(2台)年間消費電気代
器具消費電力 36W × 2台 =72W(合計器具消費電力)
合計器具消費電力 72W × 1日6時間点灯 = 432Wh(このお部屋の照明器具 1日電力)
1年間で 432Wh × 365日 = 157,680Wh(157,68kWh)
年間電気代 157,68kWh × 40円 = 6,307円
[約14畳のお部屋] 年間消費電気代 14,892円 お得になる
既存蛍光灯器具年間消費電気代
器具消費電力 40W × 6台 =240W(合計器具消費電力)
合計器具消費電力 240W × 1日6時間点灯 = 1,440Wh(このお部屋の照明器具 1日電力)
1年間で 1,440Wh × 365日 = 525,600Wh(525,6kWh)
年間電気代 525,6kWh × 40円 = 21,024円
新規LED器具(2台)年間消費電気代
器具消費電力 35W × 2台 =70W(合計器具消費電力)
合計器具消費電力 70W × 1日6時間点灯 = 420Wh(このお部屋の照明器具 1日電力)
1年間で 420Wh × 365日 = 153,300Wh(153,30kWh)
年間電気代 153,3kWh × 40円 = 6,132円
施工風景・竣工
施工風景
照明配線移設
コストを抑える為にクライアント様の了解内容は
外し器具の跡はそのままでいい。配線移設の為に最小限のボード張替で行う。
竣工
節約よりも防災の対策で
シミュレーションした年間消費電力計算は思わぬ差が出たのでこの内容は特別だと思う。
通常は年間数千円程度で、3年程度かけてまず器具台を償却する程度。
クライアント様はどうしてこの計画を考えたのか伺ってみると、
「防災の為」と言われた。
大きな震災で天井崩落の事例があり、この既存の逆富士型のベースライトは蛍光灯むき出しなので危険。
揺れが起きたら天井を見てはいけないという防災対策が必要になるらしい。
なるほど、防災の意識からこんなニーズもあるのかと、また一つお客様から学ばせて頂いた。
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