
「美を忘れたリノベ、DIY」という今回は悪い例。
限られた予算の中で最大限のものをつくる。その時のインスピレーションでDIY。今あるもので。その時手に入ったもので。流行りのアイデアで。その勢いで作っても身内では満足いくものができると思います。
でも。
行き過ぎるとそこには「花鳥風月」がないのです。
「美への投資」という価値のお話が抜けていました。
限りある予算で、予算を守って・・・。それはもちろん大切です。ですが、せっかく少しでもお金をかけるなら・・・お金の使い方としても大切なことがあります。
美意識は育つということ。美しいものを使う。見る。触れる。五感で感じる無意識の感性は大切です。
逆にそこを疎かにすると悪影響も出ます。
人はその物を使うことによってつくった人の美意識を自分の中に取り込んでいきます。
無意識のうちに。触れることはとても重要なのです。
見て、触れて、体験して、美意識は育てることができます。しかし、逆もあります。
だからつくり手の美意識が重要なのです。
そして、ちょっと無理してでもコストをかける細部。
そういうところへは「美への投資」と考えられるかどうか。
世の中に暗い話が蔓延している今だからこそ。
予算のかけ方が大切になると思うのです。
削減した部分に10年後、20年後の将来における大切な「ビジョン」が含まれていないでしょうか。
あの時削減したことで「貧しくなってしまった」と後悔しないように。
「常に美を上位概念として、使うものに責任を持つ」
「常に美を大切に無駄がないこと、全体のバランス感覚を見極めること」
そのような美意識が「無駄なこと」にならないように、
自分達がしっかり「価値」を提案できないといけないと思うのです。