毎回断熱材のことで悩む。古い建物の一番の問題は「性能」
材料固有の断熱性能に加え必ず「施工」による「性能」も考慮している。
今回は既存の建物の構造と状態を考え、床下に選択したのは羊毛断熱材のウールブレス。

大工の心のこもった下地が素直に断熱性能と施工品質に向き合う気持ちを維持させてくれる。

見た目の美しさが施工品質と比例する。
しかし、これでもまだ安心できない。大切なのは性能を発揮する状態を長く維持すること。施工しながらも色々考えた。試した。毎回同じではない。だから、常に新しい挑戦のようなもの。カタログや施工要領だけではわからない部分に気づくのも監理のセンスというよりその姿勢を常に維持しているかどうか。
職人が教えてくれた。
「高い技術を身につけるかどうかは“センス”や“才能”ましてや“器用”とかじゃないよ・・・・」
「・・・・人間性だよ」
こんな話をしてもらうまで何年かかったことか。
リノベはマニュアルだけではできない。毎回同じやり方でもできない。前に成功事例があっても、次では使えないこともある。来週も自分の中でトライアンドエラーは続く。